June 28, 2012

THE NIGHT IS YOUNG



昨夜 すごい音楽をたくさん聴いた。
いつもなら寝てしまっている時間に放送されるものだから 記念すべき初回以外 最後まで聴いた記憶がほとんどない『小西康陽 これからの人生』。池袋のはずれにあるスナックで収録したという昨夜の回は はじめて耳にする音楽ばかりだった(原曲を知っていたとしても 驚きが随所にある)。


店主がインドネシアで手に入れたレコードをかける。アナウンサー(彼の語り口調もまた この夜の音楽に最高にマッチしていた)が質問し 店主が答える。店主の抑揚のない喋り方は眠気を誘うタイプのものなのに 不思議なことにまったく眠くならない。時計を見ながら残り時間が少なくなっていくことを悲しく思いながら聴き続けた。
池袋のスナックは 架空の店ではないようだ。そこへ行くことは 調べればできそうだし きっとぼくの友人たちともどこかでこの店に繋がっているだろう。でも ある夜 寝る前にラジオから流れてきた音楽に耳を奪われて 番組の終わりまで寝ずに聴いたという体験以上のものが そこにあるのかどうかはわからない。誰かが親切に「一緒にあそこへ行きましょう」と誘ってくれても たぶんぼくは臆病だから断るかもしれない。
前後不覚に酔っぱらった夜(なんてことがそもそもありえないのだけれど)酔いを醒すために歩き始めて道に迷い 疲れて仕方なくふらりと入った店で 聴いたことのないような聴いたことのあるような音楽が流れている。そして気づく。「あ もしかしてこれは! そうか ここだったのか…」。もしそこを訪れる機会がめぐってくるとしたら そういうのが理想だ。
昨夜は ザ・ピーナツの伊藤エミが亡くなったというニュースが流れた日でもあった。