February 15, 2012

WARM ENOUGH



前に年下の友人たちが連れていってくれた店。
池袋にはほとんど用事がないので 知らなくて当然と思ったものの
彼女らが こんなに自分好みの店に通っていることが 少し悔しかった。

わざわざ出かけるのではなく あくまでも何かのついでに。
余所の街の余所の店へ行くのなら できるだけそうしたい。
午後3時からの打ち合わせを「池袋で」と こちらから指定する。
ぜんぜん「ついで」ではないのだ。

4時半に店の前に立つと すでに暖簾がかけられていて
しかも先客がひとりカウンターの中央に座っているのが見える。
例の 豆腐がぷかぷか浮かんでいる大きな銅鍋の前だ。
やはり みんなあそこに座りたがるのか。
先客と椅子ひとつ間に置いた 隣の隣に席を取った。

牛肉豆腐と焼きとん2本を 熱燗で楽しんでいると
ずっと先客と話をしていた女将が ふいにぼくの皿を取り上げて
半分ほどに減った牛肉豆腐につゆと刻み葱を足してくれた。
「つゆごと食べてらしたから お好きなのかなと思って」。

店を出る。まだ30分しか経っていない。
もっともっと長く居たような気分だった。
いい店だなあ。