昨日まで大阪で開催されていたローズ・キャバット展をいったいどのくらいの人が観ただろうか？
彼女が轆轤の使い方を覚えた場所は『GREENWICH HOUSE』という
セトルメントハウスだった。
釉薬やクレイについて専門的なトレーニングを受けたのは
夫アーニーの出張についていったハワイでのことで
わずか五週間のオープンクラスだった。
あの美しい形と色は ローズの天賦の才と好奇心と探求心
そしてアーニーの支えによって生まれたものだ。
そもそもアーニーが家に置いておいた陶土を勝手に使って
ローズが粘土遊びのつもりで花瓶をつくらなければ
帰宅したアーニーがそれを叱るのではなく 褒め称えなければ
陶芸家ローズ・キャバットは誕生しなかったのだと思う。
ローズの自宅には アーニーの絵画がたくさん飾られている。
もちろんローズの肖像画が多い。
アーニーがローズの誕生日に彼女に贈った絵には
必ずどこかに薔薇の花が描かれていた。