February 16, 2011

WATTS TOWERS


大きさは何を尺度にして感じるのかという話。

ワッツタワーに行かなくてはダメと
ぼくの背中を押してくれたのはクリスティーナだ。
たくさんのインスピレーションを与えてくれる
ロサンゼルスでいちばん大切な場所と いつも話していた。

向こうにワッツタワーが見えてきたとき
想像よりも低い塔だったので
思わず「小さいね」とクリスティーナに言ったら
小さいですって?
というような顔をされた。

解説つきの見学ツアーを申し込み
柵の中に入って タワーを間近に見上げる。
足下には 拾い集めた陶器のかけらや
割れたコーラの瓶などを使った装飾が
びっしりと施されている。
不揃いだけれど 美しいモザイク模様。

重い鉄骨をひとりで運び
かけらのひとつひとつを丹念にセメントで固めていく
イタリア系移民の貧しい左官工
サイモン・ロディアの姿を想像して クラクラした。

やっぱりワッツタワーは とてつもなく大きいよ。

そう言うと クリスティーナは
嬉しそうに微笑んだ。