これは作り話ではない。
サンフランシスコ空港でレンタカーを返す前に
必ず寄る(寄らなければならない)ガスステーションがある。
いつもアジア系の太った男と黒人の大柄な男のどちらかが
レジに立っているので きっと2人でシフトを組んでいるのだろう。
ある日 その大柄な黒人のほうがいきなり話しかけてきた。
3年か4年前のことだ。
どこから来た?
東京だよ。
日本人はみんなアメリカ人を嫌っているんだろう?
どうして?
意味のない戦争をやっているじゃないか。
そして彼は続けた。
でも あと数ヶ月だけ待ってくれ。
オレたちはブッシュを選挙で引きずり下ろす。
だから 日本に帰ったら伝えてくれよ。
アメリカ人全員が悪いんじゃないんだ って。
新しい大統領になっても アメリカは大して変わらなかった。
それは事実だけれど ガスステーションの男の話を持ち出して
ぼくが言いたいのは そんなことではない。
ここのところ感じている小さな違和感を
何とか言葉にしたくて うまくできないでいるだけの話だ。
一時的な感情でものを言う人々と それに対して
瞬間的な反感で侮蔑の言葉を投げつける人々。
じっくりと落ち着いて考えるよりも
人より早く大きな声を上げて
正論を唱えることを競うような世界。
もちろんそれがすべてではないし
"瞬間" を吐きだすことこそが特質のひとつと
理解していないわけでもないし
楽しい部分は楽しんでいる(大半は楽しいのだ)。
それでも この頃のツイッターは
ときどき ぼくを少し悲しい気持ちにさせる。