映画で観た場所に いつか行ってみたいと思うか。
そういう話を友人としているときに
ぼくにはそういう場所がひとつもないと言おうとして
リトルフィートのファーストアルバムが頭に浮かんだ。
荒れた土地に立つ倉庫のような建物の壁に
雪に埋もれた町の 写実的な絵が描かれている。
壁の前で厚手のコートを着てポーズをとるメンバー。
空の青さや建物の前の土の感じから そこが
冬の間 雪におおわれてしまうような土地ではないことが
なんとなく見てとれる。
あの建物の前に立てたら きっと記念写真を撮ると思う。
ぼくがそう話すと 友人は 知っていそうな人物に
どこで撮影された写真なのかを訊いてみると言ってくれた。
結果は予想外だったが ここには書かない。
知ろうとすることを人任せにしたぼくは
いちばんの幸せを逃してしまったのかもしれない。
伝えたいのは そういうことなので
意地悪と思わず 許してほしい。